9月のとある日曜日に岡山県の倉敷市にある「横溝正史疎開宅」に行ってきました。
「八つ墓村」「犬神家の一族」などの推理小説で知られる横溝正史氏は、東京空襲を逃れ家族で岡山県に疎開していました。
都会育ちの横溝正史氏は、田舎暮らしと地元の人との交流のなかで、田舎の因習、事件などを聞き、金田一耕助が登場する推理小説のエッセンスに取り入れていったそうです。
それがあの独特の推理小説の雰囲気を醸し出したのです。
横溝正史氏はこの疎開先での生活が気に入り、終戦後もすぐには帰京せず、3年ほど暮らしていました。
その暮らした家が補修され「横溝正史疎開宅」として公開されています。
管理人は、小説は(お恥ずかしながら)読んだことないのですが、市川崑監督の一連の映画はほぼ観ており、金田一耕助映画のファンなのです。
館内のアルバムには映画で金田一耕助を演じられた石坂浩二さんの来館時の写真がありました。
毎年11月には全国から横溝正史ファンが金田一耕助をはじめ登場人物たちのコスプレをして練り歩くイベントが毎年開催されているとのことです。
この場所は先の7月に洪水災害に見舞われた岡山県倉敷市の真備地区にあるのですが、洪水もこちらの館のすぐ近くまできたそうです。
周りの家も屋根にビニールシートがかけてある家もあり、まだ洪水の爪痕がのこっていました。
さてこの「疎開宅」は地元の方々でメンテナンスされていて、伺ったときも世話人の方々がいらっしゃいました。そして(入場料も無料の上に)お茶とお菓子が出て
歓迎していただきました。
古い日本の民家の室内は懐かしい感じですっかりくつろぎました。また縁側からのお庭も決して広くはないですが、よく手入れされていて、横溝正史が住んでいたころとかわない様子です。